ラミネートデコレーションという言葉は、今では珍しい言葉ではなくなっています。
ラミネートデコレーション(ラミネートデコ)は、ペイントでの下地に代わる画期的な手法、技法としてデコレーションの世界に登場したのですが、その後試行錯誤を繰り返し複雑な形状のアイテムにも応用できるようになりました。
かなり前の製作事例になるのですが、大阪からIさん。京都からNさん。ラミネートデコの超応用編として補習講座にご来校頂きました際の作品です。
ラミネートデコの応用範囲は平面から曲面へ
ラミネートデコは、特殊なラミネートフィルムによって構成されたデコレーション手法になるのですが、そこには注意をしたいポイントがいくつかあります。貼り付けることが可能なアイテム、形状、範囲などそこには瞬時に判断が出来るものから、一定以上の経験が必要なものまで様々です。
平面への加工であれば、比較的簡単にデコレーション出来るのですが、複雑な形状(極端な曲面を伴うもの)には簡単にラミネートデコレーション出来ないのが通常です。
そうした中、この時の講座でデコレーションしたアイテムが知っている方は知っている、シューディスペンサーへのラミネートデコレーション。
見るからに、複雑な形状をしているこのアイテムも、実は、1枚のラミネートでデコレーション出来ます。
そのため、柄の繋ぎ目などは無いのが特徴で、製作者の満足度を一気にあげてくれる仕上がりです。
ラメ仕様で製作した、大阪からお越し頂きましたIさんの作品。
Iさんらしいシックな柄が大人の雰囲気を感じさせてくれます。
また、京都からお越し頂いたNさんは、パール仕様のラミネートデコレーション。
Nさんらしく、薔薇のモチーフがふんわりやわらかい素敵な作品でした。
こうした複雑な形状のアイテムにラミネートデコレーションする事で、耐久性などを犠牲にするところもあります。
ラミネートデコレーションは、貼りつけるところが目的ではなく、作品そのものの完成がどこにあるのかをしっかりと見極めなくてはいけません。
ラミネートデコレーションの用途について
ラミネートデコレーションは、ラミネートを貼り付けて完成させる場合と、冒頭でも触れましたが、下地としてしようする大きく2つのパターンがあります。
その2つのどちらで、ラミネートデコレーションを施すのかは、大きな差があるので、貼りつける際のモチベーションなどにも大きく影響します。
クリスタライズを配置する下地(ベース)として貼り付ける場合は、特に緊張感無くラミネートを貼り付けてしまうのですが、実は、そんなラミネートデコレーションこそ荒が見つかりやすく、下地と言っても雑には出来ません。ペイントデコレーションが主流の時も、こうした“下地だから”という思い込みが大きく完成度に影響していました。ペイントでは、塗料の塗り斑、カラー違い、剥がれやすさなどが課題になるように、ラミネートデコレーションでは、エアー、ダスト(埃)の他に、最も大切なカットラインという課題があります。
ラミネートデコレーション=柄やデザインが鮮明に表現出来てラッキー
と思われがちですが、実は、装飾アイテムが完成した際の輪郭に大きな差が出来ます。
魅力的なアイテムを完成させるためにも、見えにくい所に拘れる。そんなスキルを身に付けたいものです。