
デコレーションの完成度を左右するため、デコの下地(ベース)作りは大変重要になります。
何種類かの下地作りがある中、どの手法が良いのかを判断するため、まずはその種類と使い分け方を知ることが必要です。
デコレーションを初めて、もしくは完成してからイメージと違った。なんてことにならない様、ここでは、デコ下地(ベース)の作り方についてその種類をご紹介しますので是非参考にしてみて下さい。
デコ下地の作り方は大きく3つ
デコ下地(ベース)を作らない
装飾を施す対象物(アイテム)のカラーを活かし、ストーンなどのパーツを配置する手法。ベースのカラーを活かすため手間が掛からず、誰もが最初にチャレンジする手法ですが失敗をしない様、素材選びから工夫をする必要があります。

- メリット
・手間が掛からない - デメリット
・対象物本体のカラーが隙間から目立つ
・好みのカラー、デザインで製作しにくい
・加工後元の状態に戻すことが出来ない
素材選びに注意
初心者の方が最初に思いつく手法ですが、最終的に仕上げたいカラーやデザインに応じて、装飾を施す対象物を選ばなくてはいけません。シルバーベースの素材の上にクリスタルや、クリスタルABなど透明やシルバーのカラーのストーンやパーツを配置するとベースカラーとの相性が良く、ストーンの隙間が目立つことがありません。しかし、同じシルバー系カラーの素材にローズなどのストーンやパーツを配置した場合、隙間が際立ち目立つ結果になります。そのため装飾を施すカラーに近いアイテムを選択するよう注意が必要です。
デコ下地(ベース)をペイントで作る
装飾を施す対象物(アイテム)のカラーをアクリル絵の具や、ネイルカラーなどの塗料で塗装する手法。素材のカラーを好みのカラーに変えることで、その上に配置するストーンやパーツを幅広く選択することが出来る。

- メリット
・好みのカラーやデザインで製作できる
・塗料を工夫することで加工できるアイテムに幅が広がる - デメリット
・一度作ったカラーの再現性が難しい
・塗料の乾燥時間を要するため製作時間が長くなる
・塗装面が凸凹になりやすい
・加工後、元に戻すことが出来ない
塗り斑に注意
身近なアクリル絵の具を使用することで、溶剤系塗料と異なり、扱いやすい手法です。しかし、アクリル絵の具を使用した場合、筆で塗布することが多いと思いますが、その際に出来る塗り斑が仕上がりの綺麗さを左右します。この塗り斑があることで下地がボコボコになってしまい、ストーンなどのパーツ類をしっかりと密着させることが出来ません。そのためストーンやパーツ類がすぐに剥がれてしまうといったこともあります。筆や用具の取扱いに慣れた技術を持っていれば良いのですが、塗り斑を無くすといってもそこには熟練された技術を要します。
デコ下地(ベース)をラミネートデコで作る
装飾を施す対象物(アイテム)に、予め希望のカラーや柄でプリントされているラミネートフィルムを密着させ貼り付ける手法。素材のカラーを好みのカラー、デザインに変えることで、その上に配置するストーンやパーツを幅広く選択することが出来る手法。

- メリット
・比較的手間が掛からない
・好みのカラーやデザインで製作できる
・加工後、万が一飽きてしまっても、元に戻すことが出来る - デメリット
・エアーやダスト、しわの処理が難しい
・加工できるアイテムが限定される
エアー・ダスト(埃)・しわに注意
デコ(装飾)を施す対象物に専用のラミネートフィルムを貼りつけるため比較的エアー・ダスト(埃)が入らないように注意をしながら加工を施す必要があります。また、同時に貼りつける際に出来る“しわ”が原因で、下地がボコボコになり、ストーンなどのパーツ類をしっかりと密着させることが出来なくなります。結果、ストーンやパーツ類がすぐに剥がれてしまうことに繋がるので、しわが出来ないようにラミネートデコを施すことが必要です。ラミネートデコをエアーやダスト、しわが無い様に加工するには熟練された技術が必要になりますので、専門スクールで正しい技術を習得することをお勧めします。
デコ下地の使い分け
デコを施すアイテムによりどの下地を使用するべきなのか以下を参考にしてください。
プラスチック素材のiphone・スマートフォンケースなど
- 下地を作らず直接加工
お勧め度 90%
加工対象物がプラスチックで比較的表面が固い素材ですので、この手法での加工に向いています。しかし、デザインやカラーに制限があることは忘れないでください。 - アクリル絵の具を使用したペイントでの下地
お勧め度 60%
加工対象物との相性が良くないため、使用しているうちに塗装面から剥がれてしまう恐れがあるのであまりお勧めできません。 - ラミネートデコでの下地
お勧め度 100%
プラスチック素材にしっかりと張り付くのでお勧めできる手法です。また、デザインや、カラーも思いのままに楽しむことが出来るので、最も適した加工方法と言えます。
携帯端末、デジカメなどのモバイルアイテム
- 下地を作らず直接加工
お勧め度 30%
加工対象物の表面が金属やプラスチック素材で比較的表面が固い素材の場合、この手法での加工に向いています。しかし、デザインやカラーに制限があることは忘れないでください。また、接着剤の種類により端末の穴から流れ込むなどしない様な工夫が必要になります。 - アクリル絵の具を使用したペイントでの下地
お勧め度 0%
加工対象物にある穴などから塗料が流れ込むこともあり、端末を破損してしまう危険性が高いためお勧めできません。 - ラミネートデコでの下地
お勧め度 100%
加工対象物の表面が金属やプラスチック素材である場合、しっかりと張り付くのでお勧めできる手法です。また、端末にある穴や動作部分に塗料とは違い流れ込む心配がないため、安心して加工が出来ます。ラミネートデコは万が一飽きた場合や、リニューアルしたい際にもきれいに剥がすことが出来るので、そのあたりもポイントが高くなります。仕上がりに影響するデザインや、カラーも思いのままに楽しむことが出来るので、このラミネートデコは最も適した加工方法と言えます。
デコの手法・技法を比較
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